【モータースポーツ】チャンピオン獲得への重要な一戦 SUPER GT 2018 第7戦「オートポリス」

2018.11.06

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SUPER GT第7戦「オートポリスGT300kmレース」が、大分県の「オートポリス」で10月20(土)~21日(日)にかけて開催されました。

今回のレースのポイントは、レギュレーションによりシリーズを年間通して参戦しているチームに対してウエイトハンデが50%となること。また、ここで上位に残ることが、GT500/GT300両クラスともシリーズチャンピオンへの大前提となりますから、重要な一戦です。

予選日の寒さと路面温度の低さがタイヤ選択を悩ませる

今年のオートポリスは寒かった。予選が行われた土曜日、朝9時の公式練習が始まるころの気温はわずか11度、路面温度15度という低さ。オートポリスは、山の上の方に位置していることもあり、体感的には冬の寒さとして感じられる気温です。8月にここで公式合同テストが行われましたが、そのときとのあまりの気温の違いに「テストの結果は役に立つのか?」 と疑問がわいたほどでした。

02 03写真は決勝時(以下同じ)

練習走行の2時間の中で徐々に気温と路面温度も上がり、GT500クラスでタイムを刻んでいったのは「#8 ARTA NSX-GT」「#19 WedsSport ADVAN LC500」「#38 ZENT CERUMO LC500」など。GT300は「#25 HOPPY 86MC」「#96 K-tunes RC F」「#18 UPGARAGE 86 MC」が上位に付けましたが、各チームともタイヤ選択に頭を悩ませたようです。

路気温も上がった予選は一気に順位が動いた

午後に予選が行われることになると、気温も15度まで上がり、路面温度も34度と大きく上昇。コースサイドで撮影をしていて、うっすら汗をかくぐらいの陽気となりました。

そんな気候の中で行われた予選では、練習走行から好調な走りを見せていたNSX勢がトップ3を独占。最終的には「#8 ARTA NSX-GT」がポールポジションを獲得し、2位に「#17 KEIHIN NSX-GT」、3位にシリーズランキングトップを行く「#100 RAYBRIG NSX-GT」、4位に「#36 au TOM’S LC500」、そして5位には「#1 KeePer TOM’S LC500」が入ります。驚くべきは、日産GT-R勢が揃ってQ1敗退という結果になったこと!

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コーナリングスピードの速いJAF-GTマシンが有利と言われるGT300クラスは、練習走行から好調な走りを見せた「#25 HOPPY 86MC」がトップに。2位にウエイトハンデ20kgと軽く高いトップスピードを誇る「#10 GAINER TANAX triple a GT-R」が入りました。3位は、やはりJAF-GTの「#5 マッハ車検 MC86 Y’s distraction」、4位にはトラブルで練習走行ができなかった「#61 SUBARU BRZ R&D SPORT」が滑り込んできました。

ちなみに、マッハ車検チームの本拠地は北九州、2位「#10 GAINER」の吉田広樹選手は熊本出身、4位「#61 SUBARU」の井口卓人選手は福岡県柳川市出身と、地元チームやドライバーが活躍しています。

セーフティカー導入により激しく順位が入れ代わる

早朝こそ寒さが感じられるオートポリスですが、日中は日差しが暖かく、快適な気候の中で決勝レースは行われました。いつものように交通安全を促す警察車両先導のパレードランからスタートして、いよいよレーススタートです。

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自然の地形を活かしたアップダウンもあるダイナミックさが特徴のオートポリスは、1周4,674mと比較的長め。そのため300kmのレースですが、周回数は65周とそれほど多くありません。また、タイヤに対する路面の攻撃性も高く、路面温度、タイヤの温まり方、ピックアップ(タイヤかす)の付き方など、タイヤにまつわる懸念事項がついて回ります。いつも以上にタイヤの管理やピット戦略が、重要なコースです。

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いよいよ決勝がスタートすると、GT500はポールポジションスタートの「#8 ARTA NSX-GT」が先行していきますが、4番手スタートの「#36 au TOM’S LC500」と5番手の「#1 KeePer TOM’S LC500」がぐいぐいと前を追い上げいき、6周目から周回遅れのGT300マシンに追い付き始めて順位の変動が起きていきます。

それでも「#36 au TOM’S LC500」に乗る中嶋一貴選手のドライビングは衰えず、10周目にはトップに。その後方では3位争いが激しく展開され、「#1 KeePer TOM’S LC500」が「#17 KEIHIN NSX-GT」に何度もアタックをかけていました。さらに8位争いでは「#16 MOTUL MUGEN NSX-GT」を先頭に5台のマシンが、集団となって走行します。

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18周目にGT300のマシンがコースアウトし、グラベルに捕まったことでセーフティカーが導入。ここでトップの「#36 au TOM’S LC500」はそれまでに稼いできたマージンがなくなってしまいます。しかし、リスタートした直後からタイヤが持たないのか、混戦で走るのを嫌ったのか、ピットインするマシンが多く見られました。

全車がピットを終えると、順位は予選とがらりと変わり、トップに「#36 au」、2位「#37 Keeper」、3位「#19 WedsSport」、4位「#38 ZENT」、5位「#100 RAYBRIG」と、レクサス勢がトップから並ぶオーダーになりました。60周を終えたころにはトップ2台の順位が入れ代わり、最後はTOM’Sのワン・ツー体制で、チェッカーフラッグが振られました。

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予選ではJAF-GT勢優位だったGT300も……

GT300は、トップの「#25 HOPPY 86MC」が序盤から逃げていき、2番手争い以降が激しくなる展開となります。「#5 マッハ車検 MC86 Y’s distraction」が2番手に躍り出たあと、トップに追い付き「これからが勝負!」となったとき、セーフティカーが登場し、レースはリセット。

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26周目あたりから徐々にピットインするチームが増えていく中で、トップを行く「#25 HOPPY 86MC」はピットインせず走行。しかし、ペースがあがらず、徐々に順位を落としていきます。そんな中、予選6番手にいた「#96 K-tunes RC F GT3」が、38周まで粘ってピットイン。実質トップでコースに復帰しました。全車がピットインを済ませると、1位「#96 K-tunes RC F GT3」、2位「#87 リーガルフロンティア ランボルギーニGT3」、3位「#11 GAINER TANAX GT-R」と、GT-3勢が上位を独占。

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そして最後の最後で白熱のバトルを見せてくれたのは、5番手を走る「#34 Modulo KENWOOD NSX GT3」。「#65LEON CVSTOS AMG」とボディを当てながら激しく攻略して行く姿を見せ、最終的に3番手まで順位を上げて、表彰台の一角に収まりました。

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シリーズチャンピオンは最終戦で決定に!

今回のレースの結果を受けて、GT500では「#100 RAYBRIG NSX-GT」と「#1 KeePer TOM’S LC500」が同点の67ポイントとなり、最終戦までシリーズチャンピオン決定は持ち越しに。

GT300は、今回のレースで予選下位に沈んだものの、決勝で4位まで押し上げてきた「#55 ARTA BMW M6 GT3」が60ポイントで、ランキングトップに。2位「#65LEON CVSTOS AMG」と12ポイントの差をつけました。

最終戦は、全車ウエイトを下ろしてのガチンコ勝負です。どのような戦いになるのか目が離せません。SUPER GT最終戦は11月10日(土)~11日(日)、栃木県の「ツインリンクもてぎ」で、「MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL」として通常よりも50km短いレースとして開催されます。スーパーGT 2018年シーズンを制するのは誰なのか? そしてどのマシンなのでしょうか?

<Results>
~GT500クラス~
1位:#1 KeePer TOM’S LC500
2位:#36 au TOM’S LC500
3位:#19 WedsSport ADVAN LC500
4位:#38 ZENT CERUMO LC500
5位:#100 RAYBRIG NSX-GT

~GT300クラス~
1位:#96 K-tunes RC F GT3
2位:#87 リーガルフロンティア ランボルギーニGT3
3位:#34 Modulo KENWOOD NSX GT3
4位:#55 ARTA BMW M6 GT3
5位:#65 LEON CVSTOS AMG

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text & photo by 雪岡直樹 edit by 木谷宗義

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