【モータースポーツ】SUBARU BRZが今シーズン初勝利!今年も「魔物」は現れたか!? SUPER GT 2018第6戦「SUGO」

2018.09.26

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SUPER GT第6戦「SUGO GT300kmレース」が、宮城県の「スポーツランドSUGO」で9月15(土)~16日(日)にかけて開催されました。

去年までは、第4戦として7~8月の暑い時期に開催されることの多かったSUGO。今年は、レースカレンダーの変更にともない2015年シーズンと同様、第6戦として9月開催に。秋のSUGOは、朝夕は涼しく、タイヤの発熱や気温がポイントとなります。

ウェットからドライへ。タイヤ選択に悩む

土曜日の午前中に行われた公式練習は、曇り空の下でスタート。しかし、セッションが後半になると雨が降り出して、路面はウェットに。午後に行われる予選に向けてのセッティングを悩ませる、難しい天候です。それでも、予選が行われる午後には雨も止みはじめ、レコードラインは乾き始めていました。

02写真は決勝時(以下同じ)

今回、GT300の予選は、A組・B組の2組に分けて行われました。出走する28台を14台ずつに分けて、それぞれの組の上位7台がQ2に進出する仕組みです。これは、コース幅が狭いSUGOで28台が一気に走行すると、タイムアタック中にトラフィックに引っかかってしまうため、またピットインで混乱が起きないようにするため。

しかしA組は、レコードラインは乾いていてもその外側はややウェットという路面状況だったのに対し、B組の走行時には全体的にドライになるなど、必ずしもイコールコンディションではない状態での走行となりました。今回は、試験的に行われたようなので、来年以降はまた新たなシステムが考えられるかもしれません。

ウェイトハンデは最高100kg!軽いマシンが有利?

第6戦ともなると、上位陣は相当なウェイトハンデを背負っています。またGT500に関しては、ウェイトハンデの他に、リストリクターの制限がかかっているチームもあります。最終コーナーからの上り坂や小回りのコーナーが多いSUGOでは、ウェイトハンデは特に重くのしかかってくるもの。予選が行われる前から、「軽いマシンが有利」という予想がなされていました。

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しかし、GT500では80kgものウェイトを積んだ「#1 100 RAYBRIG NSX-GT」がトップに出ます。しかもNSX勢は、今回のSUGOからBOP(性能調整)が入った結果、車両重量自体も今までより10kg重くなっており、「SUGOはミッドシップが有利」という説を示しました。

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GT300では、コーナリング性能の高いマザーシャシーとJAF-GTが有利になるだろうというのがあらかたの予想。また、GT500ではウェイトハンデが規定上限に達した場合、リストリクター制限がかかる2段階処置が取られますが、リストリクター制限のないGT300は、そのままどんどんウェイトを積むため、第5戦の覇者「#55 ARTA BMW M6 GT3」が100kgものウェイトを積んでのレースとなるなど、ウェイトハンデが重くのしかかります。

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結果的に今シーズン、リタイヤやトラブルが続き、ウェイトを22kgしか積んでいなかった「#61 SUBARU BRZ R&D SPORT」がトップに。今シーズンの不運を振り切るような走りを見せたBRZは、練習走行、Q1、Q2のすべてをトップで通過。BRZにとって4年ぶりとなるポールポジションを獲得しました。

秋模様から一転して夏模様の中で行われた決勝

前日までの雨や涼しさといった秋模様から一転、決勝日は日差しが照りつける夏模様となりました。午後2時、宮城県警の白バイとパトカー先導によるパレードランから、フォーメッションラップを経ていよいよスタートです。コース幅が狭く抜きどころの少ないSUGOでは、ポールポジションが有利。とにかく先行して、後続マシンとのマージンを作りたいところ。

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GT500では、ポールポジションスタートの「#100 RAYBRIG NSX-GT」が逃げていきますが、2番手の「#12 カルソニック IMPUL GT-R」が猛追を見せます。その後ろは「#8 ARTA NSX-GT」「#17 KEIHIN NSX-GT」「#16 MOTUL MUGEN NSX-GT」といったNSX勢が並んで追いかけていきました。

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GT300ポールポジションのSUBARU BRZは、燃費も他に比べれればあまり良い方ではなく、給油とタイヤ交換に時間を取られることを懸念して、とにかく逃げていく姿が見られました。予選2番手の「#25 HOPPY 86 MC」が、いつものようにジワジワ追い上げてくるだろうと予想されましたが、序盤からスピードに勢いがなく、徐々に後退。代わりに勢いを増して追い上げてきたのが、予選5番手の「#10 GAINER TANAX triple a GT-R」でした。こちらもウェイトハンデは10kgと軽く、なおかつクルマの速さも併せ持っており、ダークホース的存在でしたが、するするっと前に出てきてトップを狙えるポジションに上がっていました。

SUGOと言えば……の「魔物」は後半に

スポーツランドSUGOといえば、「魔物が棲む」という定番のフレーズが出てきますが、レース中盤までは、「魔物が!」と言われるほどの大きなトラブルやアクシデントは起きていませんでした。しかし、全81周で行われるレースの後半、67周目に事件は起こります。

SPコーナーでGT300がクラッシュしたことにより、FRO(ファースト・レスキュー・オペレーション=レスキューチーム)が登場。セーフティーカー導入を受け、全車がホームストレート上に整列して、レースは“仕切り直し”に。残り周回数6周でスタートが切られます。

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後続とのタイム差がなくなって白熱したレースが行われている中、クラッシュの現場に向かうと思われるドクターカーがコース上を突如姿を現し、トップ争いをするGT500と“あわや”という瞬間もありましたが、無事に切り抜け、「#100 RAYBRIG NSX-GT」がトップチェッカーを受けました。

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GT300も整列によりタイム差がなくなったため、トップを快走していた「#61 SUBARU  BRZ R&D SPORT」にとっては不利な展開となりましたが、後方にいた「#10 GAINER TANAX triple a GT-R」は他のマシンの間に挟まり、SUBARU BRZ に追いつくことはできず。「#61 SUBARU  BRZ R&D SPORT」が、練習走行、Q1、Q2、決勝とすべてをトップで走り抜ける完璧な勝利を収めました。
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GT300の3位以下は、セーフティーカー明けに争いが激化。いつの間にか3位に上がっていた「#0 グッドスマイル 初音ミク AMG」「#34 Modulo KENWOOD NSX GT3」「#88 マネパ ランボルギーニ GT3」の3台が、スリーワイドでチェッカーを受け、0.057秒差で0号車が3位を獲得するという見応えたっぷりのレースとなりました。

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次戦はウェイトが半減

次戦の第7戦は10月20日(土)〜21日(日)に、熊本県の「オートポリス」で開催されます。シリーズを通じた年間エントリーをしているマシンは、ウェイトハンデ係数が、通常の「ポイント×2kg」から、「ポイント×1kg」に。さらに最終戦の「もてぎ」では、全車がノーウェイトのガチンコレースとなります。上位チームはどこもチャンピオン獲得のチャンスが残されており、2018年のタイトル争奪はまだまだ目が離せません。

<Results>
~GT500クラス~
1位:#100 RAYBRIG NSX GT
2位:#8 ARTA NSX-GT
3位:#12 カルソニック IMPUL GT-R
4位:#16 MOTUL MUGEN NSX-GT
5位:#38 ZENT CERUMO LC500

~GT300クラス~
1位:#61 SUBARU BRZ R&D SPORT
2位:#10 GAINER TANAX triple a GT-R
3位:#0 グッドスマイル 初音ミク AMG
4位:#34 Modulo KENWOOD NSX GT3
5位:#88 マネパ ランボルギーニ GT3

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text & phoo by 雪岡直樹 edit by 木谷宗義

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