【モータースポーツ】世界のGT3が大集合!初開催の「鈴鹿10時間」耐久レース

2018.09.05

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今、世界でもっともホットでエキサイティングなレースを繰り広げているマシンカテゴリーのひとつ、「GT3カー」。そんなGT3カーが集まって、10時間という長丁場を戦う「第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間レース(以下:鈴鹿10H)」が。8月26日(日)に鈴鹿サーキットで開催されました。

これは、今まで「鈴鹿1000kmレース」として開催されていたものが、GT3カーで戦うレースに衣替えをして新たに始まったレースで、「インターコンチネンタルGTチャレンジ」の第3戦としての側面もあります。

そもそもGT3カーって?

F1を頂点とするフォーミュラーカー、SUPER GTを始めとする市販車を改造したGTカー、86/BRZレースやN-ONE OWNER’S CUPのようなナンバー付きのワンメイク車両など、レースにはさまざまなカテゴリーがあり、それぞれのマシンの形があります。

その中でも今、世界中で注目されているのが「GT3カー」と呼ばれるレーシングカーの規格です。これは、世界の自動車メーカーが市販車をレース用に改造したマシンで、世界各国でGT3規格のマシンによるレースが行われています。

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GT3カーのポイントは、お金を払えば誰でも買えること。すでにレーシングカーとして完成した車両を購入できるため、レース参戦へのハードルが下げられると同時に、アマチュアドライバーやチームが、プロたちと同じマシンで戦えるのです。

今回の鈴鹿10Hには、「アウディR8 LMS」「BMW M6 GT3」「メルセデスAMG GT3」「ポルシェ911 GT3 R」「フェラーリ488 GT3」「ランボルギーニ・ウラカンGT3」「マクラーレン650S GT3」「ベントレー・コンチネンタルGT3」「キャラウェイ・コルベットC7 GT3-R」といった、世界の名だたるGT3カーが参戦しました。

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日本からは「日産GT-R NISMO GT3」「ホンダNSX GT3」と、GT3規格ではありませんが、SUPER GTシリーズに参戦する「トヨタ86MC」「ロータス・エヴォーラMC」が参戦。これだけ世界のスポーツカーの名前が並ぶと、それだけでもワクワクしますね。

どんなチームが参戦しているの?

今度はマシンではなくチームに注目してみましょう。

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海外勢では、ヨーロッパで人気の高いブランパンGTシリーズから「アウディスポーツ チームアブソリュートレーシング」「アウディスポーツチームWRT」などのアウディチーム、メルセデスAMGを駆る「ストラッカレーシングチーム」、ブランパンGT耐久シリーズからは「ベントレーチームMスポーツ」、ブランパンGTシリーズアジアからは「メルセデスAMGチームグループMレーシング」やフェラーリ488を駆る「ハブオートコルサ」が参戦。さらに、今年ニュルブルクリンク24時間レースで優勝した「マンタイレーシング(ポルシェ911)」も参加するなど、世界の強豪が集まりました。

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日本のチームでは、スペシャルカラーで登場した「グッドスマイルレーシング(メルセデスAMG GT)」「ゲイナー(日産GT-R)」「アウディ チームヒトツヤマ(アウディR8)」「カーズ東海ドリーム28(ロータス・エヴォーラ)」「アップガレージレーシング(86MC)」「Modulo Drago CORSE(ホンダNSX)」などが参戦します。

台風に翻弄されたレースウィーク

8月23日(木)には、日本では画期的なイベントが行われる予定でした。鈴鹿サーキットから約3.3km離れたイオンモール鈴鹿まで、レーシングカーが公道を走行し、一部のマシンはそのままイオンモール鈴鹿で公開車検を受けるというものです。

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これは海外のレースでよく行われるイベントを習ったもので、ルマン24時間レースやスパ24時間レース、ニュルブルクリンク24時間レースなどでは、市街地のパレードや公開車検を行っており、これを日本でも開催しようというものでした。

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しかし当日は、西日本に向かって台風20号が接近しており、鈴鹿市を含めた三重県一帯に大雨警報が発令。イベントの中止が発表されました。イベント関係者や待ちわびていたファンの皆さんの気持ちを考えると残念で仕方ありませんが、自然の脅威には逆らえませんから、中止の判断は正しかったと言えるでしょう。

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走行イベントの中止は残念でしたが、鈴鹿サーキットのGPスクエアでは、予選日と決勝日に「泡トラ」と呼ばれるイベントが行われました。DJが音楽を奏でると、それに合わせて泡が放出され、オーディエンスが泡まみれになって楽しむというもの。また、その会場にはデコトラも飾られ、異種独特な雰囲気がありましたが、夕方になるとデコトラの電飾が点灯され、会場は一転してクラブのような雰囲気になっていました。これは今までにないサーキットの楽しみ方ですね。

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いよいよサーキットでの走行開始

 イベントは中止されたものの、同日の午後、サーキットでは特別スポーツ走行が行われました。結構な雨の中でしたが、鈴鹿サーキットを走ったことのない海外チームにとっては貴重な走行時間です。マシンの慣らしやセットアップなどが行われました。
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また今回のレースは、チェッカーが振られるのが午後8時となり夜間走行が行われるので、翌24日(金)には、夜間にもスポーツ走行が行われました。普段は夜間走行をしないSUPER GTのマシンは、夜間走行用にライトや認識用のライトが追加されていました。

ドライバーの合算タイムで順位を決める予選

今回のレースでは、各チームともドライバーは3人。25日(土)に行われた予選では1人15分ずつ走行し、3人のベストラップを合算したタイムを予選タイムとして用います。さらに、上位20台は「ポールシュートアウト」と呼ばれるタイムアタックを行い、最終的な予選順位を決定。SUPER GT的に言うならば、Q1は3人のドライバーの合算で上位20台に入る、Q2はその上位20台でコンマ数秒の争いをして順位を決める、という流れです。

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しかし、ここでちょっとしたトラブルが起きました。4輪逸脱のマシンが多く、しかし解釈の違いから「うちは出ていない」といった抗議が相次いたのです。結果的に4台に救援措置が取られ、24台でポールシュートアウトが行われました。最終的に予選トップタイムをマークしたのは、「#28 ハブオートコルサ(フェラーリ488GT3)」。このチームには日本人の吉田弘樹選手も乗っており、その名を歴史に刻みました。

淡々と、しかし激しいレースとなった決勝

26日(日)午前10時、いよいよ決勝レースがスタートしました。10時間という長丁場なので、それほど慌てず激しいレースは起きないのでは?と思っていましたが、実際には数秒の中での戦いが、随所で繰り広げられていきました。

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1人のドライバーが乗れる時間が、1スティント65分までの規定になっているため、ほぼ1時間ごとにピットインが行われていきます。しかし、ピット作業を行う最低時間も決められているため、素早くタイヤ交換をしてピット作戦でライバルの前に出るという、SUPER GTのような作戦も取りにくいのが、このレースの特徴です。

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3時間をすぎたところで、「#58 Garage 59」のマクラーレン650Sが他車との接触によりスピンしてクラッシュ。これによりフルコースイエローが提示され、さらにセーフティーカーが出たことで上位陣のタイム差がなくなり、レースは振り出しに戻ることに。その結果、激しいレースが展開されることとなりました。

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レース終盤には日も暮れて真っ暗になり、ライトの灯りのみで戦う様相に。そしてスタートから10時間が経ち、いよいよチェッカーの瞬間を迎えます。ポールポジションスタートの28号車がスタート手順違反のドライブスルーペナルティを受けている間にトップに立った、予選2番手の「#888号 メルセデスAMG チームグループMレーシング」が強さを見せつけ、ピットインのタイミングでこそ順位の変動はあったものの、終始トップを走行。初開催の鈴鹿10Hの初代ウイナーとなりました。

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<Results>
1位:#888 メルセデスAMG チームグループMレーシング
2位:#43 メルセデスAMG チームストラッカレーシング
3位:#6 アウディスポーツ チームアブソリュートレーシング
4位:#66 アウディスポーツ チームWRT
5位:#00 メルセデスAMG チームグッドスマイル

日本チームの最高位は、予選21番手からスタートした「#00 メルセデスAMG チームグッドスマイル」の5位。8位に「#21アウディ チームヒトツヤマ」、14位に「#11 ゲイナー」と続きました。

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なお、今回の鈴鹿10Hでは、グランドスタンド席のお客さんにサイリウムライトが配布されており、夜間はグランドスタンドが光り幻想的なシーンに。ゴールシーンではサイリウムを手に目一杯の応援するシーンが見られました。また、鈴鹿の夏イベントで定番となっている彰式後の花火も打ち上げられ、初めての鈴鹿10時間耐久レースの成功が祝福さえるとともに、鈴鹿の夏のイベントが締めくくられました。

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text & phoo by 雪岡直樹 edit by 木谷宗義

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