【モータースポーツ】初開催の「富士500マイル」は総合力が試されるGT流の耐久レース SUPER GT 2018第5戦

2018.08.13

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これまでSUPER GTのロングランレースといえば、1966年から続いていた伝統レースを受け継ぐ「鈴鹿1000km」でした。しかし、2018年のレースカレンダーから鈴鹿1000kmがなくなり、代わりに「富士500マイル(約800km)」レースが誕生。SUPER GTの新たな耐久レースとして、8月4日(土)~5日(日)に開催されました。

予選はタイム差“1秒以内”の大接戦

前戦「タイ」が終了し、車両が日本に帰ってきてから今回の富士までのインターバルは概ね2週間。マシンを修復し、富士に向けてのセットアップを行うには、大変なタイトスケジュールです。中には、土曜の練習走行でやっとマシンを動かしたというチームも。各チームとも時間のない中でセットアップを決めていかねばならず、どのマシンが予選でタイムを出していくのか、まったく予想がつきませんでした。

02_motul写真は決勝時(以下同じ)

しかし、いざ予選が始まってみれば、あっという間にタイムを刻み合い、GT500クラスでは全車が1秒以内のタイム差に収まる接戦に。その中で、1’28.461のタイムを叩き出しポールポジションを獲得したのは「#23 MOTUL AUTECH GT-R」。トップ5のうち。4台を日産GT-R勢が占める展開となりました。

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GT300クラスは、マザーシャシー/GT3/JAF-GT各規定のマシンが入り乱れ、Q1では1’38秒台に19台が入る大混戦となりました。予選トップを奪ったのは「#25 HOPPY 86 MC」。2番手には、富士を得意中の得意とする「#55 ARTA BMW M6 GT3」がつけ、虎視眈々と優勝を狙います。

04_エアレース予選日と決勝日には、昨年に引き続き日本人唯一のエアレースパイロット、室屋義秀選手によるフライトパフォーマンスが行われた。今年は、コースを走るレクサスとともにコース上を周回するパフォーマンスも取り入られ、ストレートエンドで見せた低高度でのフライトでは観客を大いに沸かせた

500マイル、4ピットをどう走りるか? 

今回の500マイルレース決勝では、最低4回のピットストップが義務付けられています。そのためGT500では、各チームともほぼ均等にレースを区切り、35~36周で1スティントとして、その都度タイヤ交換とドライバー交代が行う戦略を採っていました。

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一方のGT300では多彩な戦略が生まれ、予選で中段以降になったチームでは、最初の1週目にピットインして規定をクリアし混戦状態を避け、自分のペースで走る戦略をとったチームも多く見受けられました。これは、その後のピットストップ数が減らせるため、レース途中でセーフティーカーが入ってトップとのタイム差がなくなれば、有利になる戦略です。

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しかし、今回の500マイルレースでは、セーフティーカー導入でトップとの差を縮めるチャンスがなかったため、この戦略をとったチームはポイント圏内にこそ入ったものの、トップを狙える位置まで上がりきらないうちに、ゴールを迎える結果となってしまいます。

予選とはまったく異なる順位でフィニッシュ

GT500では、GT-R勢が上位を独占し、トップを奪い合いながらレースが進んでいきました。

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「#23 MOTUL AUTECH GT-R」「#24フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R」「#12カルソニク IMPUL GT-R」「#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」で上位を固めたかに見えましたが、徐々にその隊列は綻び、12号車がトップに立ってからは、独走で後続との差を広げていきます。

このまま12号車が優勝かと思われましたが、マシントラブルでピットに入り勝負権を失います。代わりにトップに立ったのは、予選2位から順調かつ冷静に走行を続けていた「#36 au TOM’S LC500」でした。気がつけば、予選7番手だったチームメイトの「#1 KeePer TOM’S LC500」が2番手に浮上。

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最後はチームメイト同士のバトルが繰り広げられましたが、「#36 au TOM’S LC500」が逃げ切り、前戦「タイ」での悔しいリタイアを乗り越え、表彰台の頂点に。また、予選では下位に沈んでいたホンダNSX勢が、決勝では3~5位に位置するなど、予選の結果とはまったく異なる結果となりました。

GT300は、「#55 ARTA BMW M6 GT3」が早い段階でポールポジションスタートの「#25 HOPPY 86 MC」をかわすと、順調に差を広げていき、全車ラップダウンする快挙で優勝を飾ります。

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55号車は昨年の第5戦、そして今季の第2戦と“富士3連勝”を達成し、富士との相性の良さを発揮した結果に。ドライバーの高木真一選手は、SUPER GT通算20勝目の新記録も打ちたてました。2位以降は、予選4番手の「#0グッドスマイル 初音ミク AMG」が2位に、予選11番手の「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」が、じわじわと順位をあげて表彰台に上りました。

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SUPER GTでは、レース距離が700km以上の場合はボーナスポイントが付与されるルールがあるため、約800kmを走行する富士500マイルレースでは、通常よりも多くのポイントが獲得できるレースとなっていました。そのため、「ここでのポイントがタイトル獲得に大きく影響する」と照準を合わせてきたチームも多かったようです。今回の結果が、3戦を残したSUPER GT 2018年シーズンに大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。第6戦は9月15日(土)~16日(日)、スポーツランドSUGOで行われます。

<Results>
~GT500クラス~
1位:#36 au TOM’S LC500
2位:#1 KeePer TOM’S LC500
3位:#17 KEIHIN NSX-GT
4位:#8 ARTA NSX-GT
5位:#100 RAYBRIG NSX-GT

~GT300クラス~
1位:#5 ARTA BMW M6 GT3
2位:#0 グッドスマイル 初音ミク AMG
3位:#31 TOYOTA PRIUS apr GT
4位:#65 LEON CVSTOS AMG
5位:#25 HOPPY 86 MC

Photo Gallery

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text & phoo by 雪岡直樹 edit by 木谷宗義

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