【豆知識】2018年夏から採用される新燃費モード「WLTCモード」とは?

2018.08.15

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クルマを買うとき、多くの人は燃費をチェックすることでしょう。クルマのカタログには燃費値が記載されていますが、それは実燃費ではなくテストによる計測値です。では、そのカタログ記載燃費を計測する際には、どんな環境でどんな走り方するのでしょうか?

それを規定しているのが「燃費計測モード」です。「JC08モード」や「10・15モード」という言葉が、カタログに記載されているのを見たことがある人も多いでしょう。いずれも燃費を計測する方法を規定したものです。

日本では2011年以降「JC08モード」で燃費が計測され、カタログに記載されていましたが、今後は「WLTCモード」へと変更されることになっています。

テスト条件が厳しくなって、実走行燃費に近くなる

実は、昨年(2017年)の夏からすでに「WLTCモード」で計測した燃費を表記することが認められており、一部車種ではすでにWLTCモードの値をカタログに記載。今年(2018年)10月以降に発売される新型車は、WLTCモードでの表示が義務(しばらくはJC08モードも併記)となり、2020年9月以降はWLTCだけの表示となる予定です。

ちなみにWLTCとは「Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycles」の略です。訳すと「世界で統一した小型車両のテスト形式」といったところでしょうか。

WLTCモードの特徴をまとめると以下のようになります。

  • 日本独自ではなく世界共通の計測方法
  • 総合燃費に加え「市街地」「郊外」「高速道路」と走行状況別の燃費も表示する
  • JC08に比べてテスト条件が厳しい
  • JC08よりも実燃費に近い数値となる


テスト条件が厳しくJC08モードに比べて数値も悪化することから、より実走行燃費に近くなることが最大の特徴と言えます。

WLTCモードは世界共通の基準。しかし…

また、日本独自だった「JC08モード」や「10・15モード」と異なり、世界で統一された基準であることも特徴。とはいえ基準は世界共通ですが、導き出される値は日本では異なります。それは計測基準として定められている走行状況のうちのひとつ「エクストラハイ(超高速)」が日本では使われないからです。エクストラハイは計測時の最高速道が131km/hにもなるため、日本の法定速度外だからという理由です。

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JC08モードに比べてテスト条件が厳しくなる要因は、「テスト時の車両重量が重くなる(従来は、2名乗車を想定して一律110kgだった負荷重量が、乗用車の場合で車両重量の15%となる)」「燃費低下の要因となるエンジンが冷えた状態での始動比率が、JC08時の25%から100%になる」からです。

たとえば、WLTCモードをカタログに記載しているマツダCX-5(ディーゼルエンジン搭載のFFモデル)の場合、JC08モードが19.0km/Lに対してWLTCモードは総合で17.4km/L。状況別では「市街地モード(WLTC-L)」が13.9km/L、「郊外モード(WLTC-M)」が17.6km/L、「高速道路モード(WLTC-H)」が19.6km/Lとなっています。

あくまでも「燃費の目安」であることは変わらない

このWLTCモードの導入による最大のユーザーメリットは、JC08モードに比べて実燃費に近い燃費がわかることです。また、走行状況別の燃費が記載されるので、「市街地走行ではこのくらい」とか「このクルマは高速道路で燃費がいい」など、自分のクルマの使い方にあわせて走行状況別の目安を知ることができるのもメリットです。

とはいえ、WLTCモードも実燃費との差を完全に解消することはできません。なぜなら、あくまでもモード燃費は燃費目安の「1例」であり、実際の走行時は、交通環境もドライバーの運転技能も計測時とは差があるからです。たとえば、インターネット回線の通信速度で表示されているのはあくまで「理論値」で、実際の通信速度は環境により大きく異なります。燃費もそれと同じなのです。

だから燃費モードがJC08モードからWLTCモードに移行しても、その数値は絶対値としてではなく、ライバルや違うクラスの車種と比較して傾向を確認するのがカタログ燃費の正しい見方といえるでしょう。

<問題>第5回 3級

2018年夏以降に販売される新型車には、新しい国際的な燃費測定方法「WLTCモード」が採用され、燃費の数値には、4つのモードで計測された値が表示されます。では、測定する4つのモードに含まれないモードはどれですか。

(1)市街地モード
(2)郊外モード
(3)高速道路モード
(4)山岳地モード

text by 工藤貴宏 edit by 木谷宗義 photo by ボルボ・カー・ジャパン

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