【コラム】工藤貴宏のジドウシャ・ジャーナリスト日記 ~2018年3月~

2018.04.20
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さてさて、オープンカーの季節ですよ。10年間乗っていたオープンカーを1年前に手放したので、現在は「屋根ありカーライフ」を送っているボクですが、この時期になるとやっぱりオープンカーが恋しくなる。本気で欲しいんですよね、ちょい古のマツダ・ロードスターとか。というわけで、3月のジャーナリスト日記をお届けします。

【3月1日】メルセデス・ベンツ発表会からスマドラへ

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メルセデス・ベンツの超意欲作「S450ハイブリッド」の発表会で都内のホテル。エンジンはV型ではなくまさかの直列6気筒。今になって直6が復活したことに驚いたら、単にドライバビリティ面だけではなく排ガス浄化能力に有利なレイアウトとか、いろいろといいことがあるらしい。直6が消えた理由は全長が長くてクラッシャブルゾーンを作るのに不利だったからだけど、完全新設計の新しい直6エンジンはシリンダー同士の間隔を詰めてあるし、補器類を全部電動化しているからファンベルトが不要で全長を短くできているのだとか。いろいろ新しいなあ。

午後は首都高速を中心に“ほめる交通安全”を実施している「ジャパンスマートドライバー」のイベントに参加。さびれた街から大復活を遂げたニューヨークのブルックリンの再生の中心となった人がゲストスピーカーとして登壇し、「自分から動くことの重要さ」について語ったのがおもしろかった。交通安全とは全然関係ないんだけど、ヒントはたくさんあった気がする。


【3月8日】VWパサート&ポロ試乗会

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待ちに待ったフォルクスワーゲンのディーゼル車が日本に上陸。本当は4年近く前に日本へ導入される予定だったけど、いろいろあったからねぇ。音がちょっと騒がしいかなあ……という印象だけど、選択肢が増えたことを喜びましょう。
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そしてフルモデルチェンジしたポロも試乗。骨太でガッチリ感は相変わらずでアルデンテのように芯のあるコーナリングなんかはさすがだけど、1.0Lの3気筒ターボエンジンはちょっとトルクが細い気がする。そこさえ気にならないなら魅力的な選択肢だ。
詳しいレポートはパサートポロも&GPにて。

【3月9日~】 ノアのハイブリッドを試乗

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思うところがあって、ノアのハイブリッドモデルを数日間試乗。ホイールはサラリとBBS製の鍛造だったりして何気に凝っている。このタイミングだとどうしてもセレナe-POWERと比較したくなるわけだけれど、ハンドリングや高速域の燃費はノアに軍配。アクセル操作に対する爽快感はセレナの価値で、静粛性に関してはピークに達するとどちらも同レベルだけど、過渡域はセレナのほうが静か。どっちもよくできているから迷う。

【3月12日】 2つのセレナに試乗

注目の新型車セレナe-POWERに公道で試乗。ミニサーキットではすでに乗っていたけど、やはり公道で乗ると違う部分も見えてくるからしっかり印象をみておかないと。……というわけでわかったのは、抜群に出来がいいという事。走りが気持ちいいし、燃費もいいし、問題は通常のエンジン車との価格差だけだなあ。こちらも試乗記は&GPにて。
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そしてe-POWERのあとはセレナNISMOに初試乗。ううっ、ハンドリングがいいうえに乗り心地も良好。かなりの好印象だ。e-POWERでこれが欲しくなる……とないものねだりしてみよう。

【3月13~14日】 欧州Cセグハッチに触れる

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そろそろファイナルモデルとなるボルボV40とライバルをからめて引っ張り出してみた。安定のゴルフもいいし、おそらく後輪駆動は現行型で最後となるBMWの1シリーズも魅力的。このクラスは激戦区だけあって、ほんとうにどれも完成度が高い。
この日のランチは「ほうとう」。カボチャ抜きというあり得ない食べ方ですみません(苦手なんです)。

【3月15日】 ゴルフの燃費の良さに驚く

フォルクスワーゲン・ゴルフ
引き続きゴルフにじっくり乗ってみる。世界中のCセグのベンチマークにされるだけあっていろいろと見どころはあるけれど、驚いたのは燃費。首都高速を走っていて、何気に燃費計を見たらなんと20km/Lという信じられない数値を表示していた。ダウンサイジングターボとはいえハイブリッドでもディーゼルでもなく普通のガソリンエンジンなのに。

確かに走行状況は燃費に有利だったけれど、とはいえクルコンを使ってダラダラ流れたり完全停止するような渋滞だって含めてのこの数字はびっくり。もちろんカタログに記載しているJC08モード燃費超えだ。帰り道まで含めて92㎞走った燃費は、驚きの19.6㎞/L。まるでディーゼルの数値ですよこれは。

【3月23日】BOSEの最新技術を先取り

BOSEの秘密のアジトに行き、研究している先進技術を見せてもらう。ヘッドレストにスピーカーを埋め込んで、道案内や注意警告などが状況に合わせて左右から独立して聞こえてくる仕掛けは「これからはいま以上に耳が重要な情報源になる」というBOSEからのメッセージに感じた。

さらにビックリなのが、車内でドライバーがハンズフリー通話をする際に、ガンガン音楽が鳴っていても相手には肉声しか聞こえない技術。逆に相手の声は同乗者には聞こえず、ドライバーだけに聞こえてくる。ハンズフリー通話なのにドライバーは同乗者に内容を聞かれず電話の相手と内緒話ができてしまうこの技術は、数年後には間違いなく広まりそうだ。

【3月26日~】 バンコクモーターショー

バンコクモーターショー2018
ここ10年ほど毎年通っている、タイのモーターショーへ。入場者数はなんと160万人。調べてみたら、どうやら世界一入場者数の多いモーターショーなのだとか。日産ブースではR35型GT-Rの正規輸入が発表されたんだけど、驚くのは価格。日本円にしてなんと約4600万円もするっていうのだからどうなっているのさ? 理由は関税と贅沢税(物品税)が高いから。なんか日本人でよかった(どっちにしても買えないけれど)。

……ところで、5年ぶりに新車を買いました。自分で所有するのははじめてのSUV、そして人生初のディーゼルエンジンです。世界中で売れ行き好調の車種なのでバックオーダーを多く抱えていて、生産は2カ月先、そして納車は2カ月半先の予定。実は、注文してからそんなに待つのもはじめての経験です。

【工藤貴宏】
モータージャーナリスト、自動車ライター
自動車雑誌編集を経て、フリーランスのジャーナリストへ。新車紹介や試乗記事を中心に雑誌やWebに寄稿する。年間試乗台数は250台。「車は誰を幸せにするのか?」をテーマに独自の切り口でクルマを評価する。

text & photo by 工藤貴宏, edit by 木谷宗義+Bucket

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