【コラム】工藤貴宏のジドウシャ・ジャーナリスト日記 ~2017年12月~

2018.01.25
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こんにちは、モータージャーナリストの工藤貴宏です。

あけましておめでとうございます!……なのですが、実は2017年も終わりに近づき、もうすぐ除夜の鐘。そんなタイミングでこの日記を書いています。

2017年もいろいろありました。春にはそれまで10年間乗っていたポルシェ・ボクスターを手放してルノー・ルーテシアを買ったっけ。東京モーターショーもあったし、3月にはタイのバンコク、8月にはインドネシアのジャカルタでのモーターショーにも行きました。もちろん、試乗もたくさんしました。

2018年もこの調子で頑張れればと思っています。ただ、昨年後半から乱れまくった原稿の締め切りだけは気を引き締めてしっかり守らないといけませんね。それが2018年の目標です。それでは2017年12月の「ジドウシャ・ジャーナリスト日記」をお届けしましょう。



SUVとセダンの試乗が多かった12月。新型電気自動車にも注目

【12月7日】 エクリプス クロスをジムカーナ風コースで味見

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2018年の春から正式に発売されるエクリプスクロスのプロトタイプに特設のジムカーナ的なコースで試乗。SUVなのにどうしてジムカーナ? そんな疑問は運転してみれば絶対わかる、という三菱の狙い通りに軽快な動きが好印象。ちなみにCMでおなじみの登坂キット(写真)は最上部が45度。エクリプスクロスはここを登れるというだけでなく、途中で一時停止しても再スタートできる能力を持っているなかなか凄いヤツです。


【12月8日】 完成度の高まったディーゼルエンジンに驚いたCX-8

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やっと発売されたCX-8に試乗して、横浜をベースに木更津までドライブ。3列シートという部分が強調されがちだけど、後席の足元空間が広いことや3列目を倒すとSUVとしてはかなり広い荷室が使えるようになることも見逃せない部分。ディーゼルエンジンはCX-5よりも音が静かでスムーズになっていたのが好印象だ。

そして乗り心地だって抜群に良かった。SUVとしては珍しい左右席が切り離された2列目シートや本木目パネル、CX-5より肌触りのいいレザーの採用などマツダのフラッグシップとしてプレミアム感も高まっていたことも報告しておこう。個人的な話をすると、家族用の愛車として持っているプレマシーの買い替え候補……と思ったけど、フラッグシップゆえに価格が高いので購入は難しいかな(と考えてしまうくらいクルマの出来はいい)。


【12月12日~15日】 カッコよくて高級そう。隠れ注目株のアルテオン

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隠れた名車になりそうな予感がビンビンに漂うフォルクスワーゲン・アルテオン。なんといってもカッコよさは抜群だ。大柄なのに、箱根のワインディングロードを走ると軽快なハンドリングで驚いたし。知らない人が見たら、メルセデス・ベンツのEクラスとかBMW5シリーズくらいの車格と値段に思われることは断言できる。

というわけで、堂々とした風格のセダンをリーズナブルに買いたい人にとってかなり魅力的な選択肢だと思う。これ、何気に注目モデルかも。試乗記は「&GP」というサイトに掲載予定。


【12月13日】 スポーティなハンドリングに納得のLS試乗会

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新しくなったレクサスLSを箱根のワインディングロードと峠道風のテストコースで試乗。後席のラグジュアリーさはお見事。先代でも納得の仕上がりだった上質感が、新型ではさらに高まっているのだから凄いなと素直に思う。走ってみるとスポーティ感が強調されていて、峠道やテストコースでもドライバーの意のまま走れるダイナミック性能が素晴らしい。ドライバーズカーとしてまとめ上げてきたことが、しっかりと伝わってきた。

ただ、静かに走りたいとき(走行モードが「コンフォート」のとき)には、人工的にスピーカーから車内に聞かせているエンジン音はもう少し静かでもいいんじゃないかな。個人的にはハイブリッドでいいかも。


【12月18日】 横浜ゴム主催のタイヤ勉強会で今どきタイヤ事情を学ぶ

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横浜ゴムが主催してくれたジャーナリスト向けの勉強会で、みっちりとタイヤのお勉強。今どきのタイヤとは切っても切れない関係にある「シリカ」や設計のシミュレーション技術について学ぶ。どちらも、どれだけタイヤを見ても目には見えない領域の話で勉強になりました。内容の一部は雑誌「カーグッズマガジン」の次号に掲載予定だ。


【12月19日~20日】 あらためてレクサスLSを取材

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先日の試乗会だけでは乗り足りなかったので、あらためて新しいLSのハイブリッドを借りて取材&試乗。全行程の燃費は10km/Lほど。ロングドライブしても全然疲れない!


【12月21日~22日】 高速走行時の安定感が抜群のアウディQ5

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昨年10月にフルモデルチェンジしたアウディQ5を借り出して試乗。アルテオンもそうだったけど、ボディ側面やボンネットにあるプレスラインの鋭さに驚いた。フォルクスワーゲン&アウディの板金技術(そしてコストのかけ方)ってすごいと思う。

肝心の走りは、高速道路の安定感が抜群なのが印象的。これならアウトバーンの追い越し車線をオーバー200km/hで駆け抜けても安心だろうね。こちらも試乗記は「&GP」に掲載予定。


【12月21日】 日産リーフのアクセルペダル制御に感動

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諸事情により遅れていた試乗会で初・新型リーフ。初代もこのくらいカッコいいデザインだったらなぁ……というのは置いといて、どれだけ性能がよくなったかについてもいろんなところで語られているので割愛するとして、驚いたのは「eペダル」と呼ぶ、離すとブレーキがかかるアクセルの制御が秀逸だったこと。ブレーキペダルを踏まなくても完全停止までするんだけど、その際の停止のスムーズさが素晴らしい。スーッと滑らかに止まるからカックンとせず、まるで上手なドライバーがブレーキを操作しているみたいだった。


【12月22日~23日】 妙に身体に馴染むボルボXC60

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そういえば乗っていなかったボルボの新型XC60のプラグインハイブリット「T8 Twin Engine」に試乗。先進安全装備の充実以外にはこれといって突出した優れた性能がないんだけど、乗ると身体に馴染んで妙に心地いいのはさすがボルボ。こういう「身体によく馴染む」クルマを選ぶ人は、クルマ選びが上手だなと思う。試乗記は「&GP」にアップされているのでぜひ見てください。


【12月25日】 初売りに間にあった、スズキXBEE発表会

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スズキの意欲作「クロスビー」の発表会。東京モーターショーに展示されていたし、さんざん見たから「まだ売ってなかったの?」という気がしないでもないけど、大人気の軽自動車「ハスラー」の兄貴分でワゴンベースのSUVクロスオーバーという新ジャンルだけにやっぱり注目だ。

質疑応答では「ハスラーとはまったく別の車種」というのを貫くスズキとは対照的に、メディア側からは「ハスラー」を意識した質問が多かったのがおもしろかった。まぁ、どう見ても「デカハスラー」だと思うけどね(メカニズム的にはまったく関係がない)。いずれにせよ、こういう遊び心を持ったクルマは多くの人に愛されてほしい。発表会が終わったら「Response」と「グーネット」の紹介記事用に原稿を即アップ。


【12月25日】お台場でアルファード/ヴェルファイアを取材

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大規模マイナーチェンジを施した「アルファード」と「ヴェルファイア」を取材。ますますお顔が派手になりましたね。一方で中身はシートの振動を減らしたり表皮のグレードがアップしたりと上質感を高める地道な努力が詰まっていたりもして、僕らはそこをしっかりと多くの人に伝える義務があると思う。

そして注目は、トヨタの次の世代の先進安全システムを初搭載してきたこと。ついに夜間でも歩行者や自転車を検知できる機能まで備えてきた。そして“半自動運転”ともいえるハンドルのアシスト機能も実力が気になるところ。それにしても派手な顔だ。詳しくは「モーターファン別冊 ニューモデル速報『新型アルファード/ヴェルファイアのすべて』」にたくさん書く予定。


【12月23日~26日】 2017年最後の試乗車はアウディSQ5

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2017年最後の試乗車はアウディSQ5。見た目はSUVだけど、アクセルを踏み込むと快音とともに気持ちよく拭け上がるエンジンなど走りはスポーツカーそのもの。ちなみに排気口のように見えるバンパーの穴はダミーで、実際は穴も開いてもいなかった。後続車のドライバーは間違いなく騙されるだろうね。試乗記はまたまた「&GP」に掲載予定。

……というわけで、あっという間だった12月。そして2017年。子供のころはもっと1年が長いような気がしたけれど、最近は本当に「光陰矢の如し」ですな。そしていっぱいあるんだけどね、やり残したこと。部屋の掃除とか、領収書の整理とか、請求書書きとか。


【工藤貴宏】
モータージャーナリスト、自動車ライター
自動車雑誌編集を経て、フリーランスのジャーナリストへ。新車紹介や試乗記事を中心に雑誌やWebに寄稿する。年間試乗台数は250台。「車は誰を幸せにするのか?」をテーマに独自の切り口でクルマを評価する。

text & photo by 工藤貴宏, edit by 木谷宗義+Bucket

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