【エポックカー図鑑】Vol.02 スバル・レガシィ ~スポーツワゴンというジャンルの開拓者~

2018.01.11
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独創的なアイデアやユニークなスタイルで、新しいジャンルを開拓したりファンを獲得したりした「エポックメイキングなクルマ」を取り上げていく「エポックカー図鑑」。第2回目は、スバル・レガシィにフォーカスしてみました!



「ワゴン=商用車ベース」からの脱却

トヨタ・セルシオ、日産スカイラインGT-R(R32型)、ユーノス・ロードスター……。1989年は「国産車のヴィンテージイヤー」と呼ばれ、のちに「名車」と呼ばれることになる数々のクルマが誕生した年でした。

スバル・レガシィも、そんなヴィンテージイヤーに誕生したクルマのひとつ。セダン/ツーリングワゴンの2タイプで発売され、発売されるやツーリングワゴンがブームを起こすほどのヒット作となり、2.0Lターボエンジンをする搭載「GT」の存在によって「スポーツワゴン」というジャンルを確立します。

epoch_dictionary_v2_02 スバル・レオーネツーリングワゴン1.8GTターボ(1984年)

それまでもレガシィの前身モデルであるレオーネには、ターボ+4WDの「GT」は存在していましたし、日産・スカイライン(R31型)にも「GTパサージュターボ」というスポーティグレードはありました。しかし、どちらも「商用バンも存在するモデルのワゴン仕様」で、ワゴンが主役ではなかったといえます。レガシィ ツーリングワゴンは、当初から商用バンを持たない乗用モデル専用のステーションワゴンであったことが画期的でした。



セダンでもクロカン四駆でもない上級スポーツワゴン

もちろん、ヒットモデルとなるには、その実力があってこそ。レガシィは当時のスバルの世界戦略車として生まれた背景もあり、スタイリッシュな内外装と高い走行性能を持っていました。またブームをけん引した「GT」は、ただのスポーツモデルではなく、上級装備を施した最上級グレードでもありました。洗練された内外装と走り、そして高級感の三拍子が揃ったことで、結果的に当時「ハイソカー」と呼ばれて人気を博していたトヨタ・マークIIなどの、セダン勢とも肩を並べる存在となったのです。

epoch_dictionary_v2_03 レガシィには、セダンも存在していたが販売の主役はツーリングワゴンだった(セダンGT、1989年)
epoch_dictionary_v2_04 レガシィGTのインテリア(1989年)

また、レガシィが生まれた1980年代後半は、三菱・パジェロに代表される「クロカン四駆ブーム」の火が付き始めた時代でもあり、「セダンではないクルマ」が求められていた時代でもありました。 そんな中でレガシィツーリングワゴンは、「セダンではないクルマがほしい。かといってクロカン四駆は大きすぎるし、走りもイマイチ……」と考える人たちの心を掴んだのでしょう。



1993年、2世代目へ進化。さらに人気は加速する

ステーションワゴンというスタイルと、スポーツワゴンというジャンルと確立したレガシィは、当時の乗用車の多くがそうであったように4年きっかりでフルモデルチェンジを実施し、2代目へと進化します。

epoch_dictionary_v2_05 レガシィツーリングワゴンGT(1993年)

2代目(BD/BG系)は、初代モデルの正常進化ともいえるモデル。1990年の税制改正(3ナンバー車の税金が安くなった)やバブル期の流れで、ライバルたちが軒並み3ナンバーのワイドボディを採用する中、レガシィは5ナンバーサイズを踏襲。結果的にそれが受け入れられ、先代以上のヒットモデルとなりました。1996年には9万台を売上げ、レガシィ史上最高の販売台数を記録。年間販売台数でも10位(登録車)となりました。当時のレガシィ人気が伺える記録ではないでしょうか。

現在は6代目となるスバル・レガシィ。初代の登場からもうすぐ30年となるロングセラーの裏には、「ワゴン+ターボ+4WD」で新たなジャンルを切り拓いた初代モデルの存在があってこそなのです。

text by 木谷宗義+Bucket
photo by SUBARU


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