【豆知識】日産復興の立役者、カルロス・ゴーンの経歴と実績

2017.04.05
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2017年2月、日産自動車はカルロス・ゴーン氏が社長とCEO(最高経営責任者)を退任し、共同経営責任者だった西川広人氏が後任となること発表。4月1日より、ゴーン氏は会長職に専念することとなりました。

カルロス・ゴーン氏と言えば、1999年から日産自動車の社長となり、有利子負債が2兆円に達し経営危機すら囁かれていた日産を再建。自身がCEOを務めるフランス・ルノーとの「ルノー・日産アライアンス」をグローバルに展開し、大きく飛躍させた人物です。2016年にはこのアライアンスに三菱自動車を加え、ゴーン氏自ら取締役会長に就任しています。

では、カルロス・ゴーン氏とは一体どんな経歴を持つ人物なのでしょうか? 今回は日産復興の立役者、カルロス・ゴーン氏にスポットを当ててみます。




1954年ブラジル生まれ、「ミシュラン」でキャリアをスタート

カルロス・ゴーン氏は、1954年ブラジル生まれ。幼少期をブラジルで過ごし、フランス国立理工科大学、フランス国立高等鉱業学校を卒業。1978年に、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」に入社します。

今でこそ「経営のプロ」というイメージがあるゴーン氏ですが、キャリアのスタートは製造部門でした。当初から効率化や合理化への才を発揮したゴーン氏は、26歳の若さで工場長に就任。さらに1985年、30歳のときにブラジル・ミシュランの社長に抜擢され、破綻寸前だった状態から1年で黒字に転換させてしまうのです。1989年には北米のミシュラン子会社の社長兼CEO1990年には北米ミシュランの会長兼社長兼CEOとなり、その手腕を発揮します。
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1996年当時のルノー車。左からエスパス、メガーヌ・セニック、トゥインゴ


ルノーへの入社は1996年、42歳のとき。当時の会長からのヘッドハンティングで入社しています。当時のルノーは、国営の「公社」から「株式会社」へと完全移行したばかりのころ。アメリカ進出やボルボとの提携がうまくいかず、グローバル化の波に乗り遅れていました。ここでゴーン氏は、上席副社長として不採算向上の閉鎖や部品調達先の見直しなど、大胆なリストラを行い、再建を図っていきました。




三菱自動車を傘下に収めて世界ナンバーワンを目指す!?

そして1999年、日産をルノー傘下に収め、「ルノー・日産アライアンス」が誕生します。どうやら日産との資本提携は、ルノー入社当初からのミッションであったようです。ゴーン氏は、ルノーの上級副社長と日産自動車のCOO(最高執行責任者)を兼務。2000年には日産自動車の社長職に就任します。
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2015年度の通期決算発表にて


「日産リバイバルプラン」を打ち出したゴーン氏は、ルノーを再建したときのように不採算事業所の閉鎖や部品調達先の見直しなどを決行。同時に新型車を積極的に投入し、わずか4年で2兆円もの有利子負債を完済するのです。この日産復興の成功が評価され、2005年にはルノーの取締役会長に就任。現在は、ルノー取締役会長件CEO、日産自動車会長、三菱自動車取締役会長として、ルノー・日産に三菱自動車を加えたアライアンス全体を統括します。

ちなみに、ルノー・日産アライアンスに三菱自動車が加わると、年間生産台数は1000万台レベルになります。これはトヨタ、フォルクスワーゲン、GM(ゼネラルモーターズ)とともに「世界ナンバーワン」を争う規模です。




冷徹なコストカッターにあらず。実は大のクルマ好き

工場閉鎖やサプライヤーのリストラなどにより収益改善や事業成長を行ってきたゴーン氏。「コストカッター」とも呼ばれるその手腕や記者会見での強い語り口から、冷徹なビジネスマンのイメージがあるかもしれませんが、一方で大のクルマ好きである顔も持ち合わせています。幼少期には、音だけで車種を当てられたといいますし、CEOとなってからも自らさまざまなクルマのステアリングを握ってドライブを楽しんでいるとか。フェアレディZやGT-Rの復活にGOを出したのもゴーン氏です。
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日産・フェアレディZ Version S(2002年)


どれだけ経営者として優れていても、クルマが好きでなければ“いいクルマ”は作れず、結果として自動車メーカーとしての成長もないのでしょう。三菱自動車を傘下に加えたルノー・日産アライアンスとカルロス・ゴーン氏が、これからどんなクルマを見せてくれるのか、将来の自動運転車も含めて楽しみにしたいところです。



問題(第3回3級)

日産自動車の社長兼CEO(当時)を務めるカルロス・ゴーン氏は他の自動車メーカーの役員も務めていますが、そのメーカーはどこですか。

1.トヨタ
2.ルノー
3.BMW
4.メルセデス・ベンツ





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text by 木谷宗義+Bucket
画像提供:日産自動車、ルノー・ジャポン

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