【番外編!?】特殊車両メーカーが作った「水陸両用バス」を見学してきた

2017.03.22
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「新車が完成したので見に来ませんか?」

そんなお声がけをいただき、やってきたのがとあるマリーナ。「なぜ、マリーナ?」と思われるかもしれませんが、今回完成したというクルマはこんなクルマだったのです。02
そう、これは水陸両用車。正確には、特殊車両製作を手がけるコーワテック株式会社(東京都港区)が新たに製作した42人乗りの「水陸両用バス」です。

コーワテックは、日本で初めて民間用水陸両用バスを作った会社で、この他にも電源車や放送中継車、検診車、消防車など、あらゆる特殊車両を製作するスペシャリスト。今回、新たに水陸両用バスが完成し、見ることができるというのでお誘いをいただきました。




いすゞの中型トラック「フォワード」をベースに大幅改造!

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この水陸両用バスは、いすゞの中型トラック「フォワード」のシャシーをベースに、水上航行ができるように特装したもの。トラックベースとはいえ、エンジン搭載位置を変更するなど、改造範囲は多岐にわたり、もはやまったく別のクルマを作り上げたと言ってもいいほどです。

<主な改造点>
・シャシー/ホイールベース延長
・船体構造と専用ボディを架装
・エンジン搭載位置変更(フロント→ミッド)
・水上航行用エンジン搭載(ヤンマー製船用主機エンジン)

ボディサイズは全長約12m、全幅約2.5m、全高約3.7mと、大型バス並み。錆や水漏れがないように、ボディ下部はアルミの一体構造になっていて、この構造を作るのに熟練の技術やノウハウが必要とされます。船体構造は、大学との共同研究だそうです。04
遊覧航行用であることと軽量化が必要なことから、客席部分に窓はなく、天井はビニール製となっています。タイヤとブレーキを含む足回りは、フォワードのものを流用。この車両は、雪国でのニーズに応えるため4WDとなっていました。乗車はボディ左の電動式タラップから。05
リヤには水上航行用に取付けられた船用エンジンとスクリューが。水上航行時に水が入らないよう、マフラーがテールランプの上にあることがわかります。




運転には「大型免許」と「船舶2級免許」が必要

では、この水陸両用バスの運転席まわりを見てみましょう。インパネはベース車両のフォワードのものを使用していますが、ステアリングの右側をよく見てください。06
水上航行用に、陸上走行用とは別の運転台が設けられています。まさに“水陸両用車”という感じですね。ちなみに陸上での最高速度は、90km/h、水上航行時は9km/h(5ノット)となっています。07
このクルマ(船?)を運転するためには、陸上走行時と水上航行時でそれぞれ免許が必要です。陸上走行時は42人乗りのバスとなるので大型免許が、水上航行時は船舶2級免許が必要となります。また、営業走行時には大型2種免許も必要です。




この日しか見られない貴重なシーンも!

コーワテックの水陸両用バスは、本来ならスロープを使って着水/上陸するのですが、この日はマリーナでの試験走行。水陸両用バスに適合するスロープがなく、こんなシーンが見られました。08
クレーンを使っての上陸です。およそ9tにもなる水陸両用バスを軽々と持ち上げるクレーン車のパワーに驚きます! コーワテックではこれまでに6台の水陸両用バスを製作し、全国の湖などで遊覧航行に使われているそう。この車両は東北に納車されるとのことで、東北で新たに遊覧航行が始まるニュースを目にしたら、この車両かもしれませんよ! 


<取材協力>
コーワテック
http://www.kowatech.co.jp/


text&photo by 木谷宗義+Bucket

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