【コラム】水村リア Leah's DRIVE ME CRAZYYYY!!! Vol.10 チームの力に感動したSUPER FORMULA第3戦SUGO

2018.06.06

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全7戦で戦われるSUPER FORMULAは、早くもシーズン中盤に。第3戦の舞台となったのは、仙台市内から少し離れた場所に位置するサーキット「スポーツランドSUGO」でした。SUGOと言えば、モータースポーツファンの間では「魔物が棲む」と言われるぐらい、いつもレースを惑わす“なにか”が起こるサーキットなのです。

コース幅が狭くアップダウンもある、森の中を駆け抜けるようなコースのSUGOで、19台の「猛獣」たちがどんなドラマを見せてくれるのかワクワクしながら、わたしもサーキットへ向かいました。

予選セッションにも「魔物の足音」が

5月のレースウィークは悪天候が続きましたが、SF第3戦が行われた5月25日(金)~27日(日)は嬉しい晴れ予報。金曜の走行セッションはいろいろなコーナーまで歩いて見に行ったのですが、ほんの1時間で足の甲が真っ黒に日焼けしてしまうぐらい、良いお天気に恵まれました。

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予選日は、朝に行われた練習走行中に赤旗が提示されるクラッシュが2度も発生。まるでSUGOの魔物の近づく足音が聞こえるような、緊迫した一日の始まりとなりました。1台が予選を欠場することとなってしまいましたが、ドライバーが無事だったことは幸いです。

18台が争う予選は、定刻通りセッションがスタート。Q1終盤にアタック合戦が始まったそのとき、再び赤旗によりセッションが中止されてしまいます。予期せぬセッション中断にアタックできるタイヤを冷やしてしまうマシンもあり、思ったような結果を出せなかったチームが多くみられました。

しかし! 数々の“魔物の悪戯”がチームを惑わせた中でも、コースレコードを更新するタイムが続出。野尻智紀選手(#5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1’04.694でコースレコードをマークして、ポールポジションを獲得しました。

03ドライバートークショーでレースへの思いを語る野尻智紀選手

野尻選手は、他カテゴリーのレースでも速さを見せ最近著しい活躍を見せる注目のドライバー。わたしがMCを務める「ポールポジションドライバートークショー」に登壇してくれた野尻選手は、「自分の成長という面も少しはあるかもしれないけど、レースをさせてもらっている環境に恵まれているんです。支えてくれているチームや人たちのおかげだと思います」と、モータースポーツが一人では成せないチームスポーツであることを、改めてステージ上で教えてくれました。

明暗を分けた運命の赤い「旗」

68周で戦われる決勝レースは、前日のクラッシュで予選を走れなかったマシンも修復され全チーム19台での戦いになりました。しかし、ここでも“魔物”は現れます。

フォーメーションラップ中にコース上で発生したマシントラブルにより、レースは遅れてスタート。そしてレース序盤に、マシン同士のアクシデントにより、このレースの運命を決める赤旗が提示されてしまいます。これにより、各選手はピットインのタイミングを狂わされることに。それぞれの運命を決めた赤旗は、まさにSUGOの“魔物”でした……。

そんな第3戦の結末は、山本尚貴選手(#16 TEAM MUGEN)が運命の女神とともに魔物を成敗し、SUGO初優勝! 今季2勝目を挙げました。

レースは、速くなくては勝てないのはもちろんですが、運も味方につけなければ勝てないのだなぁということを教えてくれたSUGOでの第3戦でした。

「パフォーマンス賞」続出です!

中継や速報ニュースでは、どうしても優勝争いがフォーカスされてしまいます。でも、レースは至るところにドラマが存在するもの。第3戦も盛り上げてくれたのは、トップ集団だけではありませんでした。

ドライバートークショーにも出演してくれたニック・キャシディ選手(#3 KONDO RACING)は、なんと11番手からスタートして2位表彰台に登り注目を集めました。わたしが注目したのは、キャシディ選手のタイヤマネージメント力です。

04ドライバートークショーに出演してくれたニック・キャシディ選手(中央)

タイヤのピークポイントが高く、でもその「おいしいところ」が続かないソフトタイヤを6周目からチェッカーを受ける68周目まで保たせ、見事な速さを見せてくれました。この表彰台獲得には、チームの戦略はもちろんですが、キャシディ選手のタイヤマネージメント力がなくては成しえなかったものなのです。AMAZING!!

選手には「速さ」はもちろん、「メンタルの強さ」も必要とされます。その強さをこのSUGOで見せてくれたのは、予選Q1で不運にもベストタイム抹消となってしまい、16番手グリッドからのスタートとなってしまった関口雄飛選手(#13 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)でした。

複雑な想いもたくさんあったはずですが、気持ちを新たに挑んだ決勝レースでは、大会のファステストタイムをマークするという、関口選手らしい速さが光る走りを見せてくれました。わたし、関口選手のどんな状況でも結果で魅せる「男気」をとても尊敬しているんです!  次戦も関口選手がその強いメンタルとともにチームをひっぱり、活躍を見せてくれることを期待しています。

ドライバーがレースに集中して戦えるのは、信用するメカニックたちが作るマシンに安心して乗り込めるからだと思います。そんなチームを支えるメカニックの活躍が、第3戦で際立ったチームがありました。

練習走行中のクラッシュにより予選の出場を断念しなくてはならなかった、伊沢拓也選手(#65 TCS NAKAJIMA RACING)のマシンを、「決勝までに修復は間に合わないのではないか……」と、多くのファンや関係者が心配しました。

05見事なチームプレイで修復された伊沢拓也選手のマシン

しかし、伊沢選手のマシンを修復するため、お休みだったメカニックたちも急遽ファクトリーのある御殿場からSUGOに向かい徹夜で作業。決勝日の朝8時に修復を完了させたそうです。無事に決勝に出走することができた伊沢選手が、メカニックの皆さんにその活躍を労うシーンも見られ、NAKAJIMA RACINGのチーム力とチームプレイの素晴らしさを見ることができました。

レースの裏側にあるドラマをもっと伝えたい!

モータースポーツはチームスポーツなのだということを、支える人たちの活躍で改めて気付かされましたね。どんなレースも数字だけでは語りきれないドラマや、たくさんの選手やチームスタッフの活躍があることを、もっと伝えていきたいと改めて思ったSUPER FORMULA第3戦でした。

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第4戦は夏の富士スピードウェイ。長いストレートで見られるSF14の速さや、100Rを全開で踏ん張る選手たちの強さを、ぜひサーキットにきて「生で感じて欲しい!」とわたしは思います。でも、どうしても来られないという方のために、次戦も全力でわたしがレポートさせていただきますので、どうぞお楽しみに\(^o^)/

【水村リア】
レースクイーン、モデル、MC。ロサンゼルスでモデルやダンサーで活動後、2011年にレースクイーンデビュー。現在はSUPER FORMULAオフィシャルステージのMCを務めるなど、モータースポーツの場を中心にMCを行っている他、ライターとしても活動の場を広げている。2017年からはN-ONE OWNER’S CUPにレーシングドライバーとして参戦。

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text & photo by 水村リア, edit by 木谷宗義+Bucket

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